揺れにも、縦荷重にも強い構造

以前、荷重は天板、横揺れは架台という役割分担が基本であるということを説明しました。今回は、天板が無い場合、または、フレームで天板や棚板を構成する場合について検討してみましょう。

 
写真は、弊社の定型クリーンブースの一つです。(カーテンは非表示にしてあります)
基本構造は、4本足と4本梁のみという、極めてシンプルな構造で、セオリー通りの縦通し構造となっています。上部には、重さ数十kgのFFU(ファンフィルターユニット)が搭載されおり、その重さは梁にかかっていますが、クリーンブースは机と違い、縦方向に繰り返し衝撃が加わるようなことが無いので、この点については梁が下方にすべり落ちてくることは無いでしょう。
しかし、鎖の入ったカーテンを開閉して人間が出入りしたりするため、十分な安全率を確保する必要があります。そこで、梁の接続部をコーナーステーで補強しています。こうすることによって、揺れに強く、かつ十分な耐荷重を得ています。

 

縦通し構造において、縦方向の荷重は滑り方向になるので、梁に縦方向の荷重や衝撃が加わる場合は、ブラケットやコーナーステーなどを取り付けて、滑り強さを増すようにしましょう。

上記の方法で、大半の要求は満足されますが、揺れ剛性を確保しつつ、より大きな耐荷重を得るためには、以下のような構造が効果的です。

 

架台底部にプレート付のキャスターやレベラーを取り付けることにより、下梁の下方へのズレを防止します。

 

そして、上梁と下梁の間につっかえ棒を配置することによって上梁を確実に支えます。つっかえ棒は、細いフレーム等で十分な役割を果すことでしょう。

 

天板を補強、または構成するフレームを柱に横通しで接続し、別のフレームを柱に縦通しで接続します。こうすることによって横通しと縦通しの長所を兼ね備えた構造とします。
縦荷重は縦柱で受ける」これがポイントです。

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